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「サハリン島調査の旅 〜小屋で寝るのは天国です〜」
旅をしていると、河口にはたいがい猟師小屋が立っています。永く放置され崩れかけた掘立小屋、定期的に使われている綺麗な小屋、無人灯台施設の小屋、貨物コンテナを改造した小屋など様々です。テントに比べ、猟師小屋は雨に濡れず、暖かく、何よりも夜中に熊に襲われる危険がない(限りなく少ない!)ので天国です。小屋を見つけると、まずやるのが万歳。その次に宝探しが始まります。小屋の中には散弾銃の弾、ソ連時代のホーローのマグカップ、日本では見なくなった洗濯板などが転っています。書籍、新聞なども多く、その新聞には半分に切断した自動車を、一頭の馬に引かせている写真がありました。キャプションはもちろん”一馬力”です。食料が残っていれば、ありがたく頂戴します。リーダーのセルゲイさんに、「小屋の食料を勝手に使っていいんですか?」と聞くと、「大丈夫だ。前に使った猟師は、次の人のために不要な食料は置いていくんだ。」と。色々なものが残っていて砂糖、紅茶、肉の缶詰、ビンに詰めた自家製ジャム、チョウザメ肉の燻製などなど、ご馳走ばかりです。水場は小屋の近くの池や小川があり、無ければ地面に1m程の穴を掘って即席の井戸を作ります。炊事はペチカ(薪コンロ)です。 ちなみにテントで寝る場合は、熊対策として、朝まで大きな焚き火を燃やし続けます。寝る前に太く大きな木を集めておき、夜中トイレに起きた時に薪をくべて、朝まで火を絶やさないようにします。それでも、寝ている時は常にピリピリしていて、テントの外で少しでも”カサッ”と音がするとすぐに目が覚めます。寝袋の中で神経を研ぎ澄ませ、音の方向、質から危険性を判断します。怪しい時にはすぐに表に飛び出し、スコップを叩き、大きな金属音出して熊を追い払います。 現代は”物”が身の安全を守ってくれますが、昔々の人々は自分の身体、五感などの人間本来の能力で身を守っていました。安全に暮らせる現在、”物”が無いと生きていけない依存症になっている事が、身に染みて分かるサハリンの旅です。

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